鍼灸と漢方は心と身体に優しい子宝治療です。
東洋医学と不妊治療
女性を取り巻く社会的環境や生活の変化によって、不妊症 に悩む方が増えています。鍼灸のみ又は漢方薬との併用に よる不妊治療は、患者様全体を東洋医学的な視点から診て、心身のバランスを整えていくことで妊娠力を高めていきます。身体に無理な負担をかけずに良質な卵と理想的な子宮 環境を作ることを目標とし、妊娠と出産に向けた心と身体 づくりをお手伝いします。
冷えと瘀血
「不妊症なんです。」と来院される患者様のお腹と腰回りを触診すると非常に冷たい方が多いと実感します。バランスの乱れ/不妊の2大原因は、「冷え」と「瘀血」であるとも言われています。年齢や婦人科疾患などの要因もありますが、不妊に悩む女性の多くは、体に冷えがあるか血液循環が悪く古い血が滞っているか、もしくはその両方の症状がみられる方が多いようです。また「冷え」は色々な病気を引き起こすとも言われるので、「冷え」を改善することは将来的に病気になりやすい状態「未病」を治すことにもつながります。
鍼灸と漢方治療は、体を温め、気の流れを整え、そして血行を良くしていくことで、ご自分がお持ちの妊娠力を高めていくことをお手伝いをします。また食生活や薄着ファッションなど生活習慣を見直すこともとても大切です。例えば、妊娠力アップを目指すにあたり避けたい食べ物、ストレス対策をして快眠をとるなどお一人お一人のニーズに合わせたアドバイスをさせていただきます。
自然妊娠と高度生殖医療
自然妊娠を希望される方だけでなく、鍼灸治療を西洋医学の不妊治療[人工授精(AIH)・体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)]と併用される方(副作用の軽減や治療効果の向上)のお手伝いもさせていただきます。最新の科学/医学の力と伝統医学の組み合わせで高度生殖医療による成功率が高まるという研究結果の一部を下記にご紹介します。
- 米国生殖医療学会誌「Fertility and Sterility」(2002年4月)に掲載された研究結果によると、体外受精(IVF)を受ける女性160人を2つのグループに分け、一方に体外受精の際、受精卵を子宮に戻す前後に鍼治療を実施。もう一方のグループには、鍼治療をせず通常の体外受精を行った結果、鍼治療グループの妊娠率が42.5%に上がり、通常治療の26.3%を大幅に上回ったのでした。
(Fertil Steril. 2002 Apr;77(4):721-4.)
- 2008年3月 英国医師会誌「British Medical Journal (BMJ)」掲載された記事によると、体外受精(IVF)を受ける女性が同時に鍼治療を受けると、妊娠の確率が65%高くなることが予備研究によって示されています。
(BMJ. 2008 Mar 8; 336(7643): 545–549.)
妊娠が確認された後は、安心して妊娠期を過ごされるためのそして安産準備のお手伝いとして、マタニティー鍼灸をお勧めしています。
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